安倍総理への手紙
昨日村田元スイス大使から、安倍総理へのお手紙が送信されてきました。
皆様にも共有していただきたく、ここに公開します。
安倍晋三内閣総理大臣殿
平成28年11月30日
村田光平
(元駐スイス大使)
拝啓
福島の現状及び東京五輪に関する重要情報をお届けいたします。
福島原発事故への対応に関し、11月28日、現場の傑出した技術者より緊急の提言が下記の通り寄せられました。
1.この度の福島第2で起きた冷却装置の緊急停止の原因はSWELLINGである。これは揺れに伴い大量の水を移動させるものである。既に柏崎原発事故で経験しているが対策が取られないままであった。至急対応が求められる。
2.強い余震が頻発している状況下で使用済み核燃料プールが倒壊する恐れがある。かねてから求められてきた使用済み燃料をドライキャスクに移す安全対策を早急に実施することが必要である。
3.1号機及び3号機の水素爆発を防ぐには間断なく窒素をパージして屋内の酸素をゼロに保つ必要があるが、この設備の故障に備えバックアップ施設を作るべきである。
昨29日、たまたま、ある有力な科学者にランチに招かれておりましたので、上記提言を伝え、尽力を依頼いたしました。同氏によれば多くの海外からの来訪者から日本は福島を抱えながらなぜ精一杯の対応をしないのか理解できないと言われ困惑しているとのことでした。
去る8月に発刊された書籍「反東京オリンピック」の反響が広がっております。書評は別添1の通りですが、特記されるのは別添2の冒頭部分で、2012年8月銀座で行われた女子サッカーチームの凱旋パレードは反原発運動から人々の耳目を逸す狙いがあった云々と述べ、東京五輪が原発問題と表裏の関係にあることを論証していることです。
東京五輪の準備が福島事故がなかったかのごとく進められておりますが、東京五輪返上問題は大手メディア(日経、朝日)そして「週刊現代」(12月3日号)も取り上げるにいたり、内外で世論はその先行きに深刻な懸念を抱くに至っております。
最近大手企業出身の親しい知人から追伸の通り、福島後の真実を素直に公表して原発事故の処理に総力を注ぎ、世界の理解と協力を求めることでしか、わが国が信頼と尊敬を得る道はないとの趣旨の提言が寄せられました。
危機管理を要する段階に入りつつあると思われます。
貴総理のご指導とご尽力を心からお願い申し上げます。
敬具
追伸 下記は大手企業出身の親しい知人から寄せられた提言です。
「福島原発の事故処理と被災地の復興が遅々として進まないばかりか、放射能や汚染水の拡散、健康被害についても国内での情報公開は不十分と言わざるを得ず、太平洋全体に汚染が拡大した状況も海外の情報で初めて知る現実があります。原発事故はすでに収拾されたとして招致した東京五輪が本来総力を挙げるべき事故処理と復興事業を妨げている事実にも納得できるものではありません。福島後の真実を素直に公表して原発事故の処理に総力を注ぎ、世界の理解と協力を求めることでしか、わが国が信頼と尊敬を得る道はないと考えます。」
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